【6月5日 AFP】今年2月14日、恋人だったモデルのリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さんを射殺したとして訴追された南アフリカの義足ランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告(26)の予備審問の実質的な開始が、予定されていた4日から8月19日に延期された。

 グレーのスーツ姿のピストリウス被告は4日、緊張した厳しい面持ちで保釈後初めて首都プレトリア(Pretoria)の裁判所に姿を現した。検察側が警察の捜査にさらに時間が必要だと申し出ると弁護側もこれを了承し、わずか数分で閉廷となった。次に同被告が出廷するのはくしくも、スティンカンプさんが生きていれば30回目の誕生日を迎えるはずだった日となる。

 検察側は、パラリンピックの元スター選手である同被告を計画的殺人の罪で起訴。有罪となれば、同被告には最高で終身刑が言い渡される可能性もある。これに対し弁護側は、同被告はスティンカンプさんを侵入者と勘違いし「悲運の事故で」殺害してしまったとして、刑罰が最高で禁錮15年の過失致死罪にあたると主張している。

 本件が同国で最も世間の耳目を集める裁判の1つになるのは必至で、これは1994年に米国のアメリカンフットボールの元スター選手で俳優のO・J・シンプソン(O.J. Simpson)氏が元妻を殺害したとされる事件で無罪となった刑事裁判をほうふつとさせる。(c)AFP/Sibongile KHUMALO