【6月4日 AFP】スペインの警察当局は2日、ナイジェリアから密入国させた女性たちをブードゥー教の儀式や暴力で脅し、売春を強制させていた組織を摘発したと発表した。

 警察当局は、売春組織のリーダーとみられる女を含むナイジェリア国籍の容疑者6人を逮捕した。捜査は昨年、売春婦の1人が告訴したことで開始されていた。

 警察当局の声明によると、「女性に対してなされていた支配は、言葉による脅しや身体的暴力、そしてさまざまなブードゥー教儀式を使って恐怖をあおるなど、完全なものだった。売春組織は、女性らにかみついて重傷を負わせたり、焼きごてを押しつけて第2度熱傷を負わせたりしていた」という。

 売春組織は、ナイジェリアの荒廃した港湾都市ベニンシティ(Benin City)で、夫や父親と死別した女性や、子育てに苦労する女性を集めていた。

 女性らはまずモロッコに陸路で移送され、その後、木製のボートでスペインに密入国、バルセロナ(Barcelona)やマラガ(Malaga)の路上で客を呼ぶ売春婦として強制的に働かされていたという。

■ブードゥー式の脅しの手口

 警察当局は、ブードゥー教の呪いを使って売春婦を脅して服従させる売春組織を過去数年で数回にわたって摘発している。

 こうした売春組織は、ナイジェリアから出国する前に女性たちを神殿に連れて行き、組織に債務を支払うことや、警察に通報しないことなどを約束させる。女性たちは神殿に爪や髪の毛、下着、その他の私物を置くよう命じられ、世界のどこにいてもこれらの物品を使ってブードゥー教の神官が女性たちに危害を及ぼすことができると脅されるという。(c)AFP