【6月4日 AFP】内部告発サイトのウィキリークス(WikiLeaks)に、膨大な量の米軍機密情報を漏えいした罪で訴追されたブラッドリー・マニング(Bradley Manning)陸軍上等兵(25)の裁判が、逮捕から3年以上を経た3日、ついに始まった。

 米国史上最大規模の機密漏えいとなったこの事件の公判は、首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)近郊のメリーランド(Maryland)州フォートミード(Fort Meade)陸軍基地で初日を迎えた。

 公判に出廷した、顔つきに幼さの残るマニング被告は冒頭陳述で、自身に対する罪状のうち10件については有罪を認めた。これらの罪で有罪になれば禁錮20年の刑を受ける可能性がある。しかし、罪状のうち最も刑が重く、有罪になれば残りの生涯を全て刑務所で過ごすことになる可能性もある「敵対勢力ほう助」罪については無罪を主張した。

 初日の公判には国内外から報道陣が詰めかけ、保安検査場を通過し法廷に入るまで列に並んで2時間待たされるという極めて厳重な警備が敷かれた。法廷内では携帯電話などの電子機器の使用が禁止された。

 マニング被告は2009年11月から、2010年5月にイラクで逮捕されるまでの間に、イラクとアフガニスタンからの機密軍事記録に加え、世界各国からの外交公電合わせて約70万件をウィキリークスに提供したとされている。

 マニング被告の支援者は同被告を内部告発者と捉えている。フォートミード基地の外では降り続く雨の中、約30人のデモ隊が「ブラッドリー・マニング、英雄」と書いた看板を掲げ、「ブラッドリーを釈放せよ」と叫んだ。

 公判は12週間にわたって行われる予定。証拠の一部は、国家安全保障上の理由により非公開で提示されることになっている。(c)AFP/Chantal Valery