英兵士刺殺の容疑者、当局は事件前に存在把握か イスラム過激派活動に参加
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【5月24日 AFP】英ロンドン(London)南東部ウーリッチ(Woolwich)で22日、イスラム過激派とみられる男2人が英軍兵士を刃物で惨殺した事件で、治安当局は事件前に容疑者らの存在を把握していたと、複数の政府筋が23日、明らかにした。
デービッド・キャメロン(David Cameron)首相は、容疑者2人が情報当局の探知網からどのように擦り抜けたか、情報当局に対し調査を実施することを示唆。同時に、事件の責任を負う者たちに法の裁きを受けさせるまで警察と治安当局は「片時も休まない」とも語った。
白昼に起きたこの事件では、ウーリッチの兵舎近くで、男2人が兵士のリー・リグビー(Lee Rigby)さん(25)を肉切り包丁などの刃物で切りつけて殺害。その後2人は、通行人に対しイスラム教にまつわる演説を行った。
現場では容疑者2人が警察の銃撃により負傷し、搬送先の病院で厳重な警備の下、一夜を過ごした。2人はナイジェリア系英国人とみられ、地元メディアはそのうちの1人をロンドン在住のマイケル・アデボラージョ(Michael Adebolajo)容疑者(28)と報じている。
■容疑者の1人はかつてイスラム過激派の活動に参加
アデボラージョ容疑者はイスラム教への改宗者で、現在英国への入国が禁じられているイスラム過激派組織の指導者オマル・バクリ(Omar Bakri)師による説教礼拝に定期的に出席していたと、バクリ師の側近が23日、明らかにした。
バクリ師は英国で凶悪人物とみなされており、2005年にレバノンへ向けて出国すると、その直後に渡英が禁止された。バクリ師は英国に拠点があったイスラム過激派組織「ムハジルーン(Al-Muhajiroun、移民たちの意)」を率いていたが、同組織は英国の反テロ法により非合法化された。
同組織の元指導者、アンジェム・チャウダリー(Anjem Choudary)師はAFPの電話取材に対し、アデボラージョ容疑者はかつて「ムジャヒド(Mujahid)」と呼ばれていたと語った。2003年に改宗してイスラム教徒になる前は「マイケル」として知られていた同容疑者を、チャウダリー師は「穏やかな男」だったと表現し、過激派の集まりには3年ほど前から姿を見せなくなっていたと述べた。
「彼は(ムハジルーンの)構成員ではなく、組織のデモ、行進、討論会などの活動に参加していた。現在レバノンに居るバクリ師も彼を覚えていたので、2005年以前には間違いなく組織に関与していた。09年か10年に姿を消したと思う」とチャウダリー師。もう1人の容疑者については、チャウダリー師は見覚えがないという。
アデボラージョ容疑者の行為を非難するかという問いに対し、チャウダリー師は「私は英国政府を非難する。彼を過激化させ、彼のような人間をあのような立場に追い込んだのは、英国の極めて残忍な外交政策だ。今回その反発が表面化した」と答えた。(c)AFP
デービッド・キャメロン(David Cameron)首相は、容疑者2人が情報当局の探知網からどのように擦り抜けたか、情報当局に対し調査を実施することを示唆。同時に、事件の責任を負う者たちに法の裁きを受けさせるまで警察と治安当局は「片時も休まない」とも語った。
白昼に起きたこの事件では、ウーリッチの兵舎近くで、男2人が兵士のリー・リグビー(Lee Rigby)さん(25)を肉切り包丁などの刃物で切りつけて殺害。その後2人は、通行人に対しイスラム教にまつわる演説を行った。
現場では容疑者2人が警察の銃撃により負傷し、搬送先の病院で厳重な警備の下、一夜を過ごした。2人はナイジェリア系英国人とみられ、地元メディアはそのうちの1人をロンドン在住のマイケル・アデボラージョ(Michael Adebolajo)容疑者(28)と報じている。
■容疑者の1人はかつてイスラム過激派の活動に参加
アデボラージョ容疑者はイスラム教への改宗者で、現在英国への入国が禁じられているイスラム過激派組織の指導者オマル・バクリ(Omar Bakri)師による説教礼拝に定期的に出席していたと、バクリ師の側近が23日、明らかにした。
バクリ師は英国で凶悪人物とみなされており、2005年にレバノンへ向けて出国すると、その直後に渡英が禁止された。バクリ師は英国に拠点があったイスラム過激派組織「ムハジルーン(Al-Muhajiroun、移民たちの意)」を率いていたが、同組織は英国の反テロ法により非合法化された。
同組織の元指導者、アンジェム・チャウダリー(Anjem Choudary)師はAFPの電話取材に対し、アデボラージョ容疑者はかつて「ムジャヒド(Mujahid)」と呼ばれていたと語った。2003年に改宗してイスラム教徒になる前は「マイケル」として知られていた同容疑者を、チャウダリー師は「穏やかな男」だったと表現し、過激派の集まりには3年ほど前から姿を見せなくなっていたと述べた。
「彼は(ムハジルーンの)構成員ではなく、組織のデモ、行進、討論会などの活動に参加していた。現在レバノンに居るバクリ師も彼を覚えていたので、2005年以前には間違いなく組織に関与していた。09年か10年に姿を消したと思う」とチャウダリー師。もう1人の容疑者については、チャウダリー師は見覚えがないという。
アデボラージョ容疑者の行為を非難するかという問いに対し、チャウダリー師は「私は英国政府を非難する。彼を過激化させ、彼のような人間をあのような立場に追い込んだのは、英国の極めて残忍な外交政策だ。今回その反発が表面化した」と答えた。(c)AFP