【5月16日 AFP】英裁判所は14日、12歳の少女に性的暴行を加えて殺害し、屋根裏部屋に遺体を隠したとして、殺人罪などに問われていたスチュアート・ヘーゼル(Stuart Hazell)被告(37)に終身刑の有罪判決を言い渡した。

 裁判官は、2012年8月にティア・シャープ(Tia Sharp)さんを殺害した罪で、ヘーゼル被告に最低38年の禁固刑を言い渡した。

 ティアさんの祖母の恋人だったヘーゼル被告は当初、ティアさんが階段から転落して死んだと主張していたが、裁判5日目の13日、初めて殺害を認めた。

 裁判官によると、少女の死因は窒息死だったとみられるが、少女が発見されたとき、遺体はすでに腐敗していたという。

■遺体発見は殺害8日後

 ロンドン警視庁は、ロンドン(London)南部郊外のクロイドン(Croydon)にあるヘーゼル被告の自宅を2回にわたって家宅捜索したが、ティアさんの遺体を見つけることができず、謝罪を強いられていた。

 少女の遺体は、殺害から8日目にようやく発見された。ロンドン警視庁は捜査員80人を動員して監視カメラの映像からティアさんの行方を追跡し、目撃情報の聞き込み調査を行った。

 裁判記録によると、清掃員で、薬物取引での犯罪歴があるヘーゼル被告は、ティアさんの祖母と5年間にわたって暮らしている間に、ティアさんに性的な魅力を感じるようになったとされる。被告はかつて、ティアさんの母親とも恋愛関係にあったという。

■性的動機に基づく殺害か

 ヘーゼル被告は、ティアさんの祖母が夜勤で外出中にティアさんを殺害した。

 自宅内で発見された性具とヘーゼル被告のベルトからティアさんの血液が検出され、またティアさんのシーツにはヘーゼル被告の精液が付着していた。ヘーゼル被告はシーツとビニールでティアさんの遺体を包み、屋根裏部屋に隠していた。

 遺体発見後、警察当局はヘーゼル被告が児童ポルノを愛好していたことを突き止めている。被告は、ティアさんが脚に日焼け止めクリームを塗るところや、眠っているティアさんを盗撮していた。(c)AFP