【5月15日 AFP】破裂する恐れが高い豊胸バッグを製造・販売し、世界規模で健康不安をもたらしたフランスのポリ・アンプラン・プロテーズ(Poly Implant ProthesePIP)の創業者ジャンクロード・マス(Jean-Claude Mas)元社長(73)に対し、検察側は14日、詐欺罪で禁錮4年を求刑した。

 同国マルセイユ(Marseille)で開かれた論告求刑公判で、ジャック・ダレスト(Jacques Dallest)検察官はマス元社長に対し、10万ユーロ(約1300万円)の罰金の支払いと、医療サービス業に従事することと企業経営の禁止も合わせて求めた。

 これに対し、弁護側も15~17日の間に最終弁論を行うことになっている。1か月に及んだこの裁判は、同国史上最大の裁判の1つとなった。

 この事件では、豊胸バッグに工業用シリコンを使った加重詐欺の罪で、マス元社長に加え、同社の他の幹部4人に対する裁判も行われている。この4人に対しては、それぞれ禁錮6月~2年が求刑された。

 PIP社の豊胸バッグは他社製に比べ、破裂する恐れが2倍とされている。同社製の豊胸バッグは65か国で30万人の女性に埋め込まれたとみられている。この裁判は、被告の刑事責任を問い被害者らが起こした私訴訴訟で、7000人以上の被害女性も原告となっている。 (c)AFP/Pierre Pratabuy