【5月9日 AFP】 ベルギー、フランス、スイス3国の警察は、2月に発生したブリュッセル国際空港(Brussels Airport)での5000万ドル(約50億円)のダイヤ強奪事件の合同捜査で33人を逮捕、大量のダイヤモンドと現金を回収した。ベルギー検察当局が8日発表した。

 ベルギー検察当局によると、同強盗事件の窃盗団8人のメンバーと疑われる1人が7日にフランスで逮捕され、またスイス警察も別の8人を逮捕し、盗まれたダイヤモンドの一部を押収した。「この捜査の結果が昨日の大がかりな警察捜査につながった」とジャンマルク・メイユール(Jean-Marc Meilleur)報道担当官が記者会見で述べた。

 メイユール氏は、ブリュッセル(Brussels)地域などで8日早朝、約200人の捜査員を動員した強制捜査が行われ、警察は24人を逮捕し、複数台の高級車と「大量の現金を回収」したと述べた。

 2月18日にベルギー・ブリュッセル国際空港で起きた強盗事件は、ダイヤモンドの国際的業界団体、アントワープ・ワールドダイヤモンドセンター(Antwerp World Diamond CentreAWDC)が前代未聞の「最大級」と形容した事件。18日午後8時(日本時間19日午前4時)ごろ、アントワープのダイヤモンドを積みスイスのチューリヒ(Zurich)に向け駐機中の旅客機に、覆面をかぶり、重武装した強盗団が滑走路に車で乗りつけ、わずか10分ほどの間に1発の発砲もなく、およそ120箱のダイヤモンドを奪った。

 スイスのジュネーブ(Geneva)では、スイス検察当局が声明で、警察が「ブリュッセルの劇的な武装強盗事件で奪われた大量のダイヤモンド」を押収したと発表した。声明はさらに、「10万スイスフラン(約1000万円)相当の現金と、現在その価値を推定中の大量のダイヤモンドの盗品が押収された」と述べた。(c)AFP/Philippe SIUBERSKI