【5月3日 AFP】中国東部の江蘇(Jiangsu)省の省都、南京(Nanjing)で2日、宿題を苦にして10代の男子生徒2人が相次いで自殺したと国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が3日、報じた。教育面で中国の生徒たちが負う膨大な負担が極端な形で表れたといえる。

 暗記や試験など熾烈な競争を強いられる教育制度のもと、中国の生徒たちは学校で1日平均8.6時間の授業を受けた後、帰宅してからも宿題に数時間を費やす。

 こうした状況のなか、チャイナ・デーリーによると南京で2日午前、15歳の男子生徒が3日間の連休中に宿題を終えられなかったことを苦にして飛び降り自殺した。

 さらに同日、やはり南京で13歳の男子生徒が自宅で首をつった。連休中の宿題を終えるために朝4時に起きたが、2時間後に死亡しているのが見つかったという。男子生徒が残した遺書には、「大好きな両親に申し訳なく思う」「墓には好きだった百合の花を手向けてほしい」などと書かれていた。

 中国は国内全土への普通教育普及で著しい成果をあげており、国連(UN)の調べによれば、若者の識字率は99%にも達する。その一方で、暗記や試験重視で、しゃくし定規な教育方法に親たちから苦情も出ている。

 なかには学校での勉強時間が毎日12時間にも達する生徒もいることが、2007年に中国青少年研究所(Youth and Children Research Centre)が行った調査で明らかになっている。さらに、こうした生徒たちは家庭でも宿題に数時間を費やしているとみられる。

 北京(Beijing)を拠点とする21世紀教育研究院(21st Century Education Research Institute)の熊丙奇(Xiong Bingqi)副院長はチャイナ・デーリーの取材に、「試験の点数は今でも生徒を評価する重要な要素で、大学に進学する生徒にとっては唯一の評価といえる」と語る。「だから当然、教師たちは生徒に大量の宿題を課すことになる」と語った。(c)AFP