【4月22日 AFP】ボストン爆発事件の容疑者兄弟がチェチェン系だったために、ロシア・北カフカス(North Caucasus)地方のイスラム武装勢力との関連が疑われている問題で、同勢力は21日、ウェブサイトでこれを否定した。

 イスラム系組織「カフカス首長国(Caucasus Emirate)」の分派でダゲスタン(Dagestan)共和国を拠点とする 「Vilayat Dagestan」はウェブサイトに「われわれはアメリカ合衆国に対していっさいの武力行為を仕掛けていない」と掲載。「われわれが戦う相手は、カフカス地方を占領し、さらにイスラム教徒をひどく弾圧するロシア政府だけだ」と明言した。

 米メディアによれば、米連邦捜査局(FBI)は死亡したタメルラン・ツァルナエフ(Tamerlan Tsarnaev)容疑者と現在ボストン(Boston)市内の病院に収容され深刻な容体にあるジョハル・ツァルナエフ(Dzhokhar Tsarnaev)容疑者(19)の兄弟と、「カフカス首長国」との間に何らかの接点がないか調べを進めている。なかでも特に「Vilayat Dagestan」との関係が疑われているという。

 ダゲスタン共和国はチェチェン共和国の隣に位置し、少数派のチェチェン人も多く居住している。チェチェンではソ連崩壊後に分離独立派とロシア軍との間で2度の紛争が起きた。2度目の紛争が約10年前に終わった後も、一帯はロシア国内で最も政情不安定な地域の一つになっている。 (c)AFP/Dmitry ZAKS