夫の性器切り落とした妻の裁判、LAで
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【4月21日 AFP】米ロサンゼルス(Los Angeles)で17日、夫の性器を切り落とし、傷害罪で起訴されたベトナム出身のキャサリン・キュー・ベッカー(Catherine Kieu Becker)被告(50)の裁判が行われ、証言台に立った夫のグレンさん(60)は当時の恐怖の記憶を生々しく語り、自分は殺されたも同然だと訴えた。
猟奇的な事件は2011年7月、ロサンゼルス南東部ガーデングローブ(Garden Grove)にあるグレンさんとキュー被告の自宅で起きた。
2人は2009年に結婚。それから1年もたたずグレンさんはキュー被告に離婚を申し入れたが、経済的な理由から2人はその後も同居を続けていた。
一方、グレンさんは激しいセックス嗜好の持ち主だったと主張するキュー被告は、グレンさんが昔の恋人に会うことを止めなかったため自宅周囲に監視カメラを複数設置。結果的に、そのカメラがキュー被告の犯行映像を捉えることとなった。
グレンさんの証言によれば、問題の夜、キュー被告が用意した豆腐と鶏肉の料理を食べたグレンさんは眠気を催し、普段より早く床についた。グレンさん側の弁護士によると、その料理には睡眠導入剤が仕込まれていたという。 「あの夜、彼女に殺された」とグレンさんは証言した。
グレンさんが目を覚ますと、両手両足がベッドに縛り付けられていることに気づいた。するとベッドの足元に立っていたキュー被告がグレンさんのパンツを下ろしたという。「彼女が何をしようとしているのが検討もつかずに見つめていると、銀色に光る金属のようなものが見えた」
それでも、まだ何が起きているのか分からなかったグレンさんだが、「彼女が私のペニスを握るのを感じた。すると突然、鋭い痛みに襲われた。彼女は私のペニスを切り落とし、床に放り投げた」
キュー被告が寝室を出ていった後、グレンさんは生ごみ処理機が稼働する音を聞いた。「どれほど続いただろう?かなり長い間だった」
じきにキュー被告が戻ってたので、グレンさんが救急車を呼ぶよう懇願すると、被告はグレンさんの耳元まで受話器を持って行き、オペレーターと直接話をさせた。そして、激しく出血していたグレンさんの腰回りにタオルをかけたという。
その後、グレンさんは数日間入院し排尿ができるよう手術も受けたが、ペニスの再生はかなわなかった。「もう二度と性生活はできないし、精神的なショックも完全に癒えることはない。徐々に立ち直りつつあるが、事件前の状態には戻れない」
こうしたグレンさんの主張に対し、キュー被告側の弁護士は、被告は幼児期にベトナム戦争を経験しており一生涯続く「心的外傷」を負っていると指摘。「彼女は嫉妬深い女でも変人でもないし、(夫を次々と殺害する)『ブラックウィドー』でもない」と反論した。
カリフォルニアに移住したキュー被告は1984年に最初の夫と結婚したが、1997年に両者の合意の下で離婚。2009年12月にグレンさんと2度目の結婚をした。
だがグレンさんは強度のセックス依存症で、性行為で勃起不全薬を用いたり、被告に苦痛を伴う体位を強要するなどしたため、被告はグレンさんのペニスを切断すれば苦しめられなくてすむと考えたと、被告側弁護士は主張している。
有罪となればキュー被告には最高で終身刑が言い渡される可能性がある。(c)AFP/Michael Thurston