【4月17日 AFP】イタリア中部ジリオ(Giglio)島沖で昨年1月にクルーズ船「コスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号」が座礁し32人が死亡した事故で、過失致死などの容疑で逮捕された元船長ら6人を起訴するかどうか決める予備審問が15日、中部グロッセート(Grosseto)の裁判所で始まった。 

 フランチェスコ・スケッティーノ(Francesco Schettino)元船長は、過失致死のほか、船を座礁させた容疑、沿岸警備隊への報告義務違反、乗船者の救助義務違反などの疑いがかけられている。予備審問は7月までに約40回行われる予定。

■民事訴訟も

 事故当時70か国の4229人が乗船していたコスタ・コンコルディア(Costa Concordia)号は、島民を喜ばせようとジリオ島のすぐ近くを航行した際に座礁した。生存者の多くは、コスタ・コンコルディア号を運航していた欧州最大のクルーズ船運航会社コスタ・クロシエレ(Costa Crociere)を相手取って民事訴訟を起こしている。

 事故で負傷したり、家族を失ったりしていない生存者の多くは、コスタ・クロシエレから1人当たり1万1000ユーロ(約140万円)の支払いを受けることで合意しているが、ジリオ島当局が8000万ユーロ(約100億円)を超える損害賠償を要求しているほか、ある被害者団体は生存者1人当たり50万ユーロ(約6500万円)の支払いを求めている。(c)AFP/Sonia LOGRE