【4月4日 AFP】インド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州シャムリ(Shamli)県で、歩いて帰宅中の4姉妹がオートバイで通りかかった2人組の男に酸をかけられ、大やけどを負う事件があった。地元警察が3日、AFPの取材に語った。

 警察によると、事件が起きたのは2日夕方。路上を歩いていた姉妹4人に、通りがかったオートバイに乗った2人組の男がわいせつな言葉を投げかけ、後部座席の男が酸性の液体を浴びせたという。

 姉妹のうち最年少の女子学生(19)は重傷で、入院している。3人の姉は病院で手当てを受けた後、帰宅した。姉3人は地元の公立学校の教師で、仕事を終えて帰宅する途中で事件にあったという。

 2人組は現場から逃走し、現在警察が行方を追うとともに、犯行の動機を捜査している。犯人を特定するため姉妹の家族からも事情を聞く予定という。 

 またウッタルプラデシュ警察当局は、事件を受けて早急に幹部会議を招集し、酸性化学薬品を販売する際は購入者の氏名と住所を記録するよう商店主に義務付けることを決めた。

■厳罰化、酸を使った襲撃は対象外

 インドでは昨年12月にニューデリー(New Delhi)で女子学生がバスの車内で集団性的暴行を受け死亡した事件をきっかけに、女性への暴力事件が大きな注目を集めている。

 国民の間で高まる怒りを受け、議会は性的暴行罪に対する厳罰化を決めたが、酸を用いた襲撃については厳罰化法案が否決された。このため酸を用いた襲撃では、有罪となっても最高刑は禁錮12年で保釈もあり得るのが現状だ。(c)AFP/Rupam Jain Nair