【3月10日 AFP】米民間情報機関のSITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)によると、イスラム過激派ボコ・ハラム(Boko Haram)の派生組織「アンサル(Ansaru)」が9日、ナイジェリア北部バウチ(Bauchi)州の建設現場で2月に誘拐した外国人7人を殺害したとの声明を発表した。ナイジェリア当局と人質の出身国政府の反応は、まだ伝えられていない。

 SITEによれば、Sinam al-Islam Network系列のAl-Qabidun 'Ala al-Jamr Media Foundationが同日、アラビア語と英語でこの声明を公開。さらに、死亡した人質を撮影したビデオ映像のスクリーンキャプチャーを公表した。犯行グループは声明で、英国とナイジェリアの政府が人質救出を計画していたことや、アンサル構成員の逮捕・殺害などを人質殺害の理由に挙げているという。

 ナイジェリア警察当局は2月、レバノン人4人と英国人、ギリシャ人、イタリア人各1人の合わせて7人が、同月16日にバウチ州で誘拐されたと発表。その後、人質の雇用主である建設会社のSetraco幹部が、中東出身の人質はレバノンとシリアの出身者2人ずつだと明らかにしていた。アンサルはその2日後に犯行声明を出している。

 アンサルは過去にも何件かの誘拐事件を起こしているとみられる。2011年5月に起きたニジェールとの国境に近いケビ(Kebbi)州の建設現場での英国人とイタリア人の誘拐についても、関与が疑われている。(c)AFP/M.J. Smith