【3月8日 AFP】中国東北部の吉林(Jilin)省で自動車を盗んだ男が車内にいた生後2か月の乳児を絞殺していたことが、自首した男の供述から明らかになり、中国全土で激しい怒りの声が上がっている。

 警察発表によると、自首した男は周喜軍(Zhou Xijun)容疑者(48)。吉林省で4日、駐車していたSUV(スポーツ用多目的車)を盗んだが後部座席に乳児が残されていることに気づき、車を道路脇に停止させて赤ちゃんを絞殺し、遺体を雪の中に埋めたと自供しているという。乳児の遺体が発見されたかどうかは不明。

 5日に周容疑者が自首するまで、警察官やタクシー運転手らが数千人規模で生後2か月の乳児を乗せたまま盗まれた車の行方を追っていた。

 国営の環球時報(Global Times)によると、両親は乳児1人を車内に残しエンジンをかけたまま10分ほど車から離れていた。乳児を絞殺したとの周容疑者の自供を知り、家族の中には気を失ったものもいるという。

 中国メディアが6日、事件を大々的に取り上げると、ソーシャルメディアサイトの話題はこの事件が独占。5日に開幕した第12期全国人民代表大会(全人代)よりも、はるかに多くの注目を集めている。

 ネット上でも多くの人々が事件に不快感を示しており、周容疑者の死刑を求める声も少なくない。ツイッター(Twitter)に類似した中国版マイクロブログサイト「新浪微博(Sina Weibo)」のあるユーザーは、「1回死刑にするだけでは足りない」と書き込んでいる。(c)AFP