【3月6日 AFP】ロシアのボリショイ・バレエ団(Bolshoi Ballet)の芸術監督セルゲイ・フィーリン(Sergei Filin)氏(42)が酸性の液体をかけられて顔や目に重傷を負った事件で、ロシアの警察は5日、同バレエ団のソリストを含む容疑者3人の身柄を拘束した。ロシアの内務省が発表した。

 拘束されたのは、ソリストのパーベル・ドミトリチェンコ(Pavel Dmitrichenko)容疑者と、実行犯とみられる男、運転役とされる男の3人。ドミトリチェンコ容疑者には襲撃を指示した疑いがかけられているという警察筋の情報もあるが、公式には確認されていない。

 2002年に入団したドミトリチェンコ容疑者は、最近では「イワン雷帝(Ivan the Terrible)」の主役を演じた。3月16日からの「眠れる森の美女(Sleeping Beauty)」にも出演する予定だった。

 警察は動機の解明を進めているが、露メディアは同容疑者の交際相手の若手バレリーナが配役をめぐりフィーリン氏と対立していたことが背景にある可能性を伝えている。ニュースサイト「Gazeta.ru」が伝えた劇場関係者の話によると、フィーリン氏は最近、このバレリーナが「白鳥の湖(Swan Lake)」でソロを踊ることを拒んだという。(c)AFP/Anna MALPAS