【3月5日 AFP】オランダ・ロッテルダム(Rotterdam)の美術館からパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)などの作品が盗まれた盗難事件で同国の警察は4日、犯行に協力した疑いで新たに19歳のルーマニア人少女を逮捕した。

 事件は昨年10月、ロッテルダムのクンストハル(Kunsthal)美術館からピカソの「アルルカンの頭部(Tete d'Arlequin)」、クロード・モネ(Claude Monet)のウォータールー橋、ロンドン(Waterloo Bridge, London)」、ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin)の「Femme Devant une Fenetre Ouverte, dite La Fiancee」、ルシアン・フロイド(Lucian Freud)の「Woman with Eyes Closed」など著名芸術家の絵画計7点が盗まれたもので、被害総額は1億~2億ユーロ(約122億円~約244億円)に上る。

 ルーマニアの警察当局は1月、事件の容疑者としてルーマニア人3人を逮捕。3人は後に起訴されている。オランダ警察の関係者らによると、逮捕された少女は1月に逮捕された3人のうち1人の恋人だという。

 オランダの警察当局は、被告らが美術館から盗んだ絵画をそのままロッテルダムにある少女が住む家に運び、そこで額縁から外して、後にルーマニアで売却を試みたとみている。事件当時、少女の家には複数の人間が暮らしていたという。

 ルーマニア捜査当局によると、少女の恋人である被告は盗まれた絵画のうち2点がルーマニアで取引きされた際、交渉の場に同席していたとされる。

 一方、各メディアは未確認の情報として、絵画がルーマニアから持ち出された可能性や、さらには何点かについては破損しているのではと伝えている。(c)AFP