【3月2日 AFP】高級車30台近くに「ていねいな」落書きをした英国の大学教授が1日、貯金の大半に相当する金額を損害賠償として支払うよう裁判所に命じられた。

 英ニューカッスル大学(Newcastle University)のスティーブン・グレアム(Stephen Graham)教授(48)は昨年8月、酒と薬物を合わせて飲んだ後、下着とスーツのジャケットのみを着た状態でニューカッスルの街に繰り出し、手にしたスクリュードライバーで「very silly(非常におろかな)」「arbitrary(恣意的)」などの言葉を27台の車に刻み破損させたとして逮捕・起訴された。

 英イングランド北東部のニューカッスル刑事法院(Newcastle Crown Court)は1日、グレアム被告に2万8000ポンド(約400万円)の賠償金の支払いに加え、禁錮9月、執行猶予1年の刑を言い渡した。

 グレアム被告の弁護人は、事件を起こした当時、被告は歯の感染症を治療するための抗生物質と抗うつ剤、ボトル3分の2のジンを摂取していたため、これらが合わさって生まれた副作用の影響下にあったと主張した。しかしガイ・ホイットバーン(Guy Whitburn)判事は、被告の行動が本人らしからぬものだったことを認めつつ、被告夫婦の貯金額に相当する損害賠償を全額支払わなければならないと述べた。 

 これに先立つ公判で、グレアム被告は4件の器物破損を認めている。被告は事件当日ベッドに入ったことは覚えているものの、その後気づいた時には逮捕されていたと語り、頭の中に残っているのは破壊行為の「夢のような」記憶のみだという。(c)AFP