【2月22日 AFP】南アフリカの義足のランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告が恋人のリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さんを射殺した罪に問われている事件で、南ア警察は21日、捜査を主導した刑事が7件の殺人未遂容疑で捜査対象となっていることが発覚したことを受け、新たな主任捜査官を任命した。

 解任されたのはヒルトン・ボタ(Hilton Botha)刑事。ピストリウス被告の保釈請求審問では、検察側が提示した証拠の不備が次々に指摘されていたが、それに追い打ちをかけるように、主任捜査官が別の事件の容疑者であることが明るみになった。

 南ア警察が21日に明らかにしたところによると、ボタ刑事は2011年に乗り合いタクシーに向けて発砲したとして、7件の殺人未遂容疑をかけられている。またボタ刑事は、目撃証言および捜査手法に関してピストリウス被告の弁護団から繰り返し不備を指摘されている。

 一方、米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)は21日、同被告とのスポンサー契約の凍結を発表した。両足義足でオリンピックとパラリンピックに出場し、「ブレードランナー」として知られ多くの人々に勇気を与えたピストリウス被告は、大手企業とのスポンサー契約で何百万ドルという収入を得ていたが、これまでに米サングラスメーカーのオークリー(Oakley)も契約を凍結、さらに仏化粧品メーカーのクラランス(Clarins)も被告を起用した宣伝活動を中止すると発表しており、ナイキの契約凍結は被告にとっては新たな打撃となった。

 ピストリウス被告は22日に再出廷し、保釈請求審問の4日目に臨む予定。(c)AFP/Johannes Myburgh