【2月21日 AFP】自宅で恋人を射殺した罪に問われている南アフリカの義足ランナー、オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)被告の保釈請求の審問が20日、前日に続き首都プレトリア(Pretoria)の裁判所で行われた。出廷した警察官は、複数の人が被告の自宅から言い争う声や女性の叫び声、銃声が聞こえたと証言していると述べた。

 警察官は、被告が以前に暴行容疑で逮捕され、不起訴となったことや、無許可で銃を所持した嫌疑があったことにも言及。ゲリー・ネル(Gerrie Nel)検事は、プレトリア市内の厳重に警備された被告と同じ複合マンションに住む女性が、被告の恋人が殺害される数時間前の「午前2~3時ごろから絶え間なく口論しているような声を聞いた」と述べた。

 ヒルトン・ボタ(Hilton Botha)刑事は「銃声が聞こえたのでバルコニーに出たところ、照明がついているのが見えた。その後、女性の叫び声が2、3回続いて再び銃声が聞こえた、との証言をある男性から得た」と述べた。目撃者のいた場所は被告の自宅から300メートル離れていると警察は説明。これに対し弁護側は、証人の証言の信頼性に疑問を投げかけた。ボタ刑事は、恋人を侵入者だと勘違いしたという被告の主張は「現場の状況と合致しているように思える」と述べ、検察側もこれは認めざるを得なかった。 

 殺害されたモデルのリーバ・スティンカンプ(Reeva Steenkamp)さん(29)は2月14日、バスルームのドアの外側から3発撃たれ、頭と肘、腰に傷を負った。死亡を公表した医師が目にしたのは白いショーツと黒のベストを着て、血まみれのタオルに覆われたスティンカンプさんの姿だった。ピストリウス被告は、スティンカンプさんを侵入者と勘違いし、鍵の掛かったバスルームのドアに銃を向け、彼女を撃ってしまったと説明している。(c)AFP/Johannes Myburgh