【2月12日 AFP】欧州で「牛肉100%」をうたっていた冷凍食品に馬肉が使われていた問題で、英国とフランスの両政府は11日、馬肉を牛肉と偽った「犯罪者たち」の特定を急ぐよう呼びかけた。一方、問題の「牛肉」の輸出元である疑いが出ているルーマニアの首相は同日、自国にかけられている嫌疑を怒りをあらわに否定した。

 英国のオーウェン・パターソン(Owen Paterson)食料相は、このスキャンダルの背景には「大規模な」共同謀議があるとし、問題が波及している可能性がある16か国には警告の通達が送られたはずだと述べた。

「表示と異なるものが混入した製品が英国の消費者に売られていたという事実は受け入れがたく、法的措置により犯罪者たちが一掃されることを強く願う」(パターソン食料相)

 フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領も、責任がある者には「制裁が科されるべきだ」と語り、フランス国民に対し、国産の肉だけ食べるよう呼びかけた。

 このスキャンダルでは、英国やフランス、スウェーデンで販売されていた数百万個の冷凍食品が回収されている。

 欧州冷凍食品大手フィンダス(Findus)に問題の「牛肉」を供給したフランスの食品会社Comigelは、肉はフランスの食肉加工業者Spangheroがルーマニアの食肉処理場から輸入したものだと発表した。

 これに対し、ルーマニアのビクトル・ポンタ(Victor Ponta)首相は、自国にかけられている嫌疑を怒りをあらわに否定。疑われている2つの食肉処理場が「欧州の基準に違反していなかったことは確認済みだ」と記者団に語った。同国の農業相もまた、これら食肉処理場は虚偽の表示をしていないと述べている。

 ポンタ首相は、Spanghero社が「ルーマニアの企業と直接コンタクトしたことはない」と指摘し、欧州連合(EU)に対し、責任の所在を明らかにするよう要請した。「ルーマニアが悪者と決めつけられるのは許容できない。率直に言って、本当に腹を立てている」

(c)AFP/Rory Mulholland