巨匠ドラクロワの「自由の女神」、落書きされる フランス
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【2月9日 AFP】19世紀フランスの画家ウジェーヌ・ドラクロワ(Eugene Delacroix)の代表作「民衆を導く自由の女神」が、美術館で来館者によって落書きされた。絵画が受けたダメージは、修復可能だという。
仏北部ランス(Lens)に最近開館した、ルーブル美術館(Musee du Louvre)の別館に展示されていたこの絵画に7日、28歳の女性が黒いペンで「AE911」という文字を落書きした。他の来館者や、駆けつけた警備員に取り押さえられた女性は、精神的に不安定だった。
女性が落書きした動機は不明だが、911という数字から、2001年9月11日に起きた米同時多発テロ事件に関する妄想に悩まされていたのではないかとの臆測もある。
また、米国政府が関与していたとする陰謀論を掲げる米国の団体「9/11の真実(9/11 Truth)」に女性が関わっていたのではないかとも疑われている。
現地検察によれば、女は9日に裁判所へ出頭する予定だが、検察当局が指名した医師は精神鑑定の結果、女性には刑事責任能力がないとの結論にすでに至っている。このため、当局は女性を直ちに精神科関連の施設へ収容する方針。
ルーブル美術館によると、絵の右下の約30センチ四方の部分に残された落書きは表面的なもので、絵にはワニスが塗布してあったため、その下の絵の具の層にまで至っておらず、修復専門家らによって「完全に消す」ことが可能だという。(c)AFP/Marie-Laure Michel