【2月8日 AFP】インド・西ベンガル(West Bengal)州で、一斉に避妊手術を受けた多数の女性たちが、病室の空きがないとの理由で意識のないまま野外に放置される事件が発生した。同州保健当局が7日、明らかにした。

 女性たちは全員、同州マルダ(Malda)県にある1か所の病院で避妊手術を受けたが、この病院には多数の患者を収容する施設がなかったという。

 事件は、インドのニュース専門局NDTVが放映した視聴者の撮影映像で発覚した。5日に撮影されたこの映像には、意識のない女性が男性数人によって病院から運び出され、野外に横たえられる様子が写っていた。

 AFPの取材に応じた同州保健当局のランジャーン・サトパティ(Ranjan Satpathi)局長は「貧困層を中心とする100人を超える女性が避妊手術のために訪れたが、医師らは手術が終わった女性から直ちに隣の野原に移動するよう助手たちに命じた」と語った。

 地元の保健当局者たちは揃って、患者の扱いとして許しがたい行為であり調査を行うと約束した。また、106人もの女性の避妊手術を4人の医師が1日で行った病院のあり方に対し、医療関係者の間には衝撃が広がっている。

 中国と異なり、インドには1家族の子供の数を制限する法律はない。しかし国民人口が10億人を超す中、自動車や電化製品といった「報奨品」と引き換えに、避妊手術を自発的に受けるよう地方自治体が各家庭に促す例が少なくない。(c)AFP