【2月1日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が1月30日に、同社のコンピューターシステムが4か月前から中国のハッカーから攻撃を受け続けており、社員のパスワードが盗まれるなどしたと報じたことについて、中国政府は31日、同紙の主張は「事実無根」として攻撃への関与を否定した。

 ニューヨーク・タイムズは昨年10月25日、中国・上海(Shanghai)支局発の記事として温家宝(Wen Jiabao)首相の親族の不正蓄財疑惑を報じている。ハッキングは上海支局長の電子メールに特に集中していたという。

 ITコンサルタントが調査した結果、過去に中国軍が米軍関係企業をサイバー攻撃した際に使用した大学のコンピューターがハッキング元とみられたことから、同紙は今回の攻撃も中国軍が関与しているとみている。

 これに対し、中国外務省の洪磊(Hong Lei)報道官は31日の記者会見で、「確固たる証拠もなく中国がサイバー攻撃に関与したと決めつけ、無責任極まりない」とニューヨーク・タイムズを非難するとともに、中国もサイバー攻撃の被害を受けており、中国の法律もサイバー攻撃をはっきりと禁じていると主張した。(c)AFP