【1月23日AFP】フィリピンのリゾート地セブ(Cebu)市にある裁判所で22日、被告のカナダ人の男が隠し持っていた銃を発砲し、原告とその代理人を射殺する事件が起きた。男は駆けつけた警察官に手足を撃たれた後、自らに向け銃を発砲し、死亡した。

 地元警察当局の マリアノ・ナトゥエル(Mariano Natuel)署長によると、銃を発砲した男はカナダ国籍の元ジャーナリスト、ジョン・ポープ(John Pope)容疑者(66)だという。

 ポープ容疑者は、裁判所建物4階にある法廷で開かれていた口頭弁論の最中に、隠し持っていた銃で原告の医師と代理人の2人を射殺した。その後、2階の法廷で別の検察官に向け発砲し負傷させ、さらに1階の検事室へと向かった。特定の人物を狙って検事室へと向かったと思われるが、誰もいないことを確認すると同階ホールへと出た。そこで駆けつけた警察官に手足を撃たれた。左手首とももを撃たれ動けなくなった同容疑者は、自らに向けて発砲。搬送先の病院で死亡が確認された。

 フィリピン在住が14年に及ぶポープ容疑者は、隣人らとの間でいさかいが常に絶えなかったとされる。事件当時も、少なくとも8件の訴訟を起こされていた。また射殺された医師は同容疑者を国外退去させるよう当局に求めていた。(c)AFP