【1月23日 AFP】昨年10月、オランダ南西部ロッテルダム(Rotterdam)の美術館からクロード・モネ(Claude Monet)やパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)らの作品計7点が盗まれた事件に絡み、ルーマニア警察当局が同国人3人を絵画窃盗容疑で逮捕、取り調べを進めていることが22日、明らかになった。

 ロッテルダムにあるクンストハル(Kunsthal)美術館で同月16日に起きたこの事件では、展示絵画の中からモネ、ピカソのほか、アンリ・マチス(Henri Matisse)、ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin)らの作品計7点が持ち去さられた。被害総額は2億ユーロ(約236億円)にも上るとされ、過去20年間で最大の絵画盗難事件として注目を集めた。

 AFPの取材に対しルーマニア警察当局者は、同盗難事件で捜査活動を展開したことは認めたが、それ以上については言及を避けた。

 また、ロッテルダム警察関係者はAFPに対し、「同事件に絡み3人がルーマニア国内で逮捕されたが、盗まれた絵画はまだ戻っていない」と述べるとともに、「3人は今も拘束され、事件での役割などを調べられている」とだけ明らかにした。

 一方、ルーマニアの通信社メディアファクス(Mediafax)によると、捜査を担当しているのはルーマニア検察のテロ・組織犯罪取締局で、3人は既に29日間にわたって拘束されている。

 同取締局はAFPの取材に、捜査が続いていることは認めながらも、捜査の妨げになるとして詳細は明らかにしなかった。

 被害を受けたクンストハル美術館はAFP の取材に対し、今回の逮捕に関するコメントを避けた。(c)AFP