【1月15日 AFP】ネオナチの父親に虐待を受けていた少年(当時10歳)が、睡眠中の父親に向け発砲し殺害の罪に問われていた裁判で、米カリフォルニア(California)州リーバサイド郡上級裁判所(Riverside County Superior Court)は14日、少年に第2級殺人罪の有罪判決を言い渡した。

 ジョセフ・ホール(Joseph Hall)被告(12)は2011年5月1日未明、酔ってソファで眠る父親の頭部に向けて、父親が所有する.357リボルバー拳銃を発砲した。

 リバーサイド郡上級裁判所のジーン・レナード(Jean Leonard)判事は「少年は間違った行為であることを知っていた」と述べ、離婚して家族を解散するとの父親の脅しを聞き、襲撃を計画したとしながら、「少年は父親の頭に拳銃の銃身を向け、引き金を引いた。犯罪に対する計画と認識があった」との考えを示した。

 殺害された父親について判事は、事件発生の2年前から国家社会主義運動(National Socialist Movement)を通して少年に過激思想を教え、少年の不品行に対しては「無制御の懲罰手法」を用いていたことを説明。しかし、このことが犯罪を減刑することにはならないと述べ、少年には以前から暴力に訴える傾向があったことを指摘した。

「この孤独な少年は、平均的な子どもよりも憎悪や銃器、暴力についてよく知っていた。生後18か月のころから、少年には暴力的な一面が見られた」「少年は学校8校を退学になった。だが社会の仕組みを知らない純真でか弱い子どもではなかった」

 裁判は陪審員なしで裁判官による審理が行われた。量刑は後日言い渡される。(c)AFP