【1月14日 AFP】イタリア北部の養父母の家を飛び出した13歳の少年が、養父のメルセデス・ベンツ（Mercedes-Benz）を拝借して、故郷ポーランドを目指し1000キロメートルの長距離ドライブを敢行するという事件があった。ゴーカートに乗るのが大好きだというこの少年は、複数の高速道路の料金所と2つの国境をすり抜け、オーストリアを経由してドイツを半分ほど北上したところでドイツ警察によって止められた。

「外見は16歳くらいに見える子だが、それにしたって…！給油もして国境を2つ越えたのに誰も気づかないなんて、信じられない」。養父母の家がある伊北部モンテベッルーナ（Montebelluna）の軍警察カラビニエリ（Carabinieri）の隊長は12日、AFPの取材にこのように語った。警察によると少年はポーランドが恋しくなり、血のつながった姉に会いたくて家を飛び出したのだという。

　少年が家を出たのは10日。所持品はポケットに突っ込んだ現金200ユーロ（約2万4000円）とパスポート（旅券）だけだった。この直前、少年は携帯電話の通話上限額を無断で引き上げていた罰として携帯電話を取り上げられ、養父母と口論になっていた。

　養父母はすぐに、少年がポーランドに行こうとしているのではないかと気付き、地元警察に通報して少年が通る可能性のあるルートに手配をするよう要請したという。11日、ドイツの交通警察が少年を確保したのはポーランド国境にあと200キロという地点だった。

　モンテベッルーナのカラビニエリにはポーランド領事館から、少年の安否を尋ねる連絡があったという。少年の帰国後はソーシャルワーカーが養父母との関係について、これまでより小まめにチェックしていくそうだ。(c)AFP