【1月2日 AFP】インドの首都ニューデリー(New Delhi)で先月起きた集団強姦(ごうかん)殺人事件を捜査している警察当局は、犯行グループが被害者の女子医学生(23)を走っているバスから突き落としたうえ、そのバスでひき殺そうとしたことを明らかにした。同国メディアが2日、報じた。

 警察当局が3日、裁判所に提出する1000ページに及ぶ調書によると、事件当時、被害女性と一緒にいた交際相手の男性は、女性が繰り返し強姦された後で殴られてバスから突き落とされたが、被害女性を引っ張って移動させ、なんとかバスにひかれずに済んだとされている。

 また地元紙やテレビでは、被害女性は逃れようとして容疑者のうち3人にかみついたと報じられている。警察関係者などによると、容疑者の身体に残されたかみ痕に加え、血液、体液、毛髪などの法医学的証拠や交際相手の男性の証言が、裁判での主な証拠になるとみられている。

 インド紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)によると、警察が作成した文書は、犯行グループの一味だったとされているバスの運転手がどのようにして仲間を集めて犯行に及んだかについての詳細な説明から始まるとみられる。

 逮捕された男5人は3日からの公判で正式に殺人と強姦の罪に問われる。この裁判は特別に迅速に行われることになった。6人目の容疑者(17)は未成年のため、少年裁判所で罪に問われる見込みだ。

 このむごたらしい事件を受け、インド国内では性犯罪のまん延に対する怒りが沸騰している。ニューデリーを含む各地では抗議デモが相次ぎ、犯人らを死刑にするよう求める声が上がっている。(c)AFP