【12月31日 AFP】米ニューヨーク(New York)市で27日、地下鉄駅のホームで電車を待っていた男性が背後から女に突き落とされ、入線してきた電車にひかれて死亡する事件があった。同市クイーンズ地区連邦検察局(Queens district attorney's office)が29日、明らかにした。

 警察は同市ブロンクス(Bronx)地区に住むエリカ・メネンデス(Erika Menendez)容疑者(31)を殺人の容疑で逮捕した。同容疑者は警察の取り調べに「イスラム教徒を線路に突き落とした。ヒンズー教徒とイスラム教徒が大嫌いだから。2001年に(米同時多発テロで)ツインタワーが攻撃されてから、私はずっとイスラム教徒をひどい目にあわせてきた」などと供述しており、イスラム教徒やヒンズー教徒に対する憎悪に基づいたヘイトクライム(憎悪犯罪)とみられている。

 死亡したスナンド・セン(Sunando Sen)さん(46)の同居人が米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に語ったところによると、センさんはインド生まれのヒンズー教徒だった。

 目撃情報などによると事件当時、メネンデス容疑者は独り言をつぶやきながらプラットフォームを行ったり来たりしていたが、センさんはメネンデス容疑者に背を向けて立っていたため背後から近寄る容疑者に気付かなかったとみられる。

 メネンデス容疑者は近く罪状認否に臨むが、有罪なら最低でも禁錮25年、最大で終身刑となる可能性がある。(c)AFP