【12月29日 AFP】インドの首都ニューデリー(New Delhi)市内を走るバス車内で起きた集団性的暴行事件の被害者の女性(23)が29日未明、シンガポールの病院で亡くなった。入院先のマウント・エリザベス病院(Mount Elizabeth Hospital)が発表した。

 インド国内ではこの事件をきっかけに大規模な抗議デモが起こっており、ニューデリーの街頭には機動隊が配備されている。インド当局は、女性の死によってデモがさらに激化する可能性もあるとみて警戒を強めている。

 被害者の女性は16日、ニューデリー市内を走るバスの中で6人組の男に強姦され、鉄の棒で殴られたうえにバスから突き落とされた。治療を受けていたシンガポールへは27日に飛行機で搬送された。病院の発表によると多臓器不全を起こしていたという。インドの医療関係者の一部からは、重体の女性を国外へ搬送すべきではなかったとの批判もあがっている。

 インドのテレビ放送網NDTVは「インドの娘よ、安らかに眠れ」との速報で、またテレビ局タイムズ・ナウ(Times Now)は「勇敢な女性がこの世を去った」と題したニュースで報じた。(c)AFP/Annabelle Liang