【12月23日 AFP】ローマ法王ベネディクト16世(Benedict XVI)は22日、ローマ法王庁(バチカン)の機密文書を外部に漏らした罪で禁錮18月の実刑判決を受けたパオロ・ガブリエレ(Paolo Gabriele)元執事に恩赦を与えた。ただし法王庁からは永久的に追放されることになった。

 法王庁は声明で「ローマ法王ベネディクト16世は今朝、許しを与える意向を確認するため収監中のガブリエレ元執事と面会し、元執事の恩赦請求を受け入れることを個人的に伝えた」と述べた。

 元執事は機密漏えいの罪で、10月にバチカンの裁判所から実刑判決を言い渡された。恩赦は「長年にわたり日常的に親交があった」元執事に対する法王の意思表示とされる。ただ法王庁は、元執事の復職やバチカン市国内での今後の居住を禁止すると付け加えた。

 法王庁のフェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)広報局長によると、約3か月半の間収監されていた元執事は、法王と約15分間面会した後に妻や3人の子供が待つ自宅へと戻ったという。

 ガブリエレ元執事は法王に近い限られた平信徒の1人だったが、バチカン内の「悪や不正」根絶を目的に内部告発し、機密文書を外部に漏えいした。ただし宗教専門家の間では、さらなる機密流出のリスクがあるため、法王庁が元執事を追放処分にする可能性は低いとの見方が有力だった。(c)AFP