【12月14日 AFP】英キャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)の入院中にエリザベス女王(Queen Elizabeth II)になりすました豪ラジオ局の偽電話を取り次ぎ、その後死亡した女性看護師ジャシンサ・サルダナ(Jacintha Saldanha)さん(46)の死因審問が13日に行われた。

 死因審問は予期せず突然死した人などの死因を調べる司法手続きで、責任を問うことはしない。13日の死因審問ではサルダナさんは首をつっているのを病院の寮の自室で同僚と警備員によって発見されたほか、手首に傷があり、遺書とみられるメモ3枚も見つかったことが明らかにされた。

 英紙ガーディアン(Guardian)は14日、サルダナさんが残したメモについて、1つは同僚を批判するもので、残りは偽電話についてと、自身の葬儀についてだったと伝えている。

 サルダナさんはインド生まれの2人の子を持つ母親で、キング・エドワード7世病院(King Edward VII's Hospital)の看護師だったが、豪ラジオ局がエリザベス女王とチャールズ皇太子(Prince Charles)をかたってキャサリン妃の体調などを聞き出した電話を取り次いだ3日後の7日、遺体で発見された。

 ロンドン警視庁の幹部警察官は死因審問で、死亡の状況に何ら不審な点はなく、他者が関与した疑いはないと述べた。ロンドン警視庁は近く、豪警察に問題の電話をかけたラジオ局関係者に事情を聞くよう依頼する方針だという。捜査が進むのを待って来年3月26日に予備審問が行われる予定になっている。

 一方、豪警察は14日、渦中の豪ラジオ局「2Day FM」の司会者マイケル・クリスチャン(Michael Christian)さん宛てに脅迫状が届き、捜査を開始したと発表した。オーストラリア放送協会(ABC)によると、2Day FMの親会社サザンクロス・オーステレオ(Southern Cross Austereo)には毎日のように脅迫電話があるという。(c)AFP