ホロコースト犠牲者の灰で絵画、スウェーデン芸術家を捜査
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【12月10日 AFP】第二次世界大戦中のナチス・ドイツ(Nazi)によるユダヤ人虐殺(ホロコースト)犠牲者の灰を使って水彩画を描いたと主張する芸術家に対し、スウェーデン警察は7日までに捜査を開始したと発表した。
芸術家のカール・マイケル・フォン・ハウスヴォルフ(Carl Michael von Hausswolff)氏は、現ポーランド・ルブリン(Lublin)郊外にあるナチス・ドイツのマイダネク(Majdanek)強制収容所跡の遺体焼却炉から1989年に入手した灰を水に溶き、「Memory Works(記憶の作品)」と題する絵画を描いたと主張している。犠牲者の苦しみを表現する長方形の上に垂直に筆を走らせたモノクロの作品は現在、スウェーデン南部ルンド(Lund)にある画廊マルティン・ブライデル・ギャラリー(Martin Bryder Gallery)に展示されている。
捜査官がAFPに語ったところによると、この作品を「遺体に対する冒とく」だと考えた1人の市民が今月5日、「遺体の一部を蹂躙している」として警察にハウスヴォルフ氏を告発した。
この捜査官はハウスヴォルフ氏が灰を入手したのがスウェーデンではなくポーランドであることに言及し、今回の告発について「非常にまれ」だと述べた。死体を焼却した灰を使用することがスウェーデンで犯罪にあたるかどうかは不明。警察によると検察当局が捜査の上、起訴するかどうかを決めるという。
画廊オーナーのマルティン・ブライデル(Martin Bryder)氏はAFPの取材を拒否し、またハウスヴォルフとも連絡が取れないと答えた。
同画廊ウェブサイトに掲載されたハウスヴォルフ氏の説明によると、同氏は1989年にある展覧会のためにポーランドを訪れた際、マイダネク強制収容所跡に立ち寄った。「遺体焼却炉の1つから灰を少し集めたが、その時の展覧会には使わなかった。あの場所で起きた残虐行為を思うと、あまりに感情が込み上げる素材だったからだ」と同氏は記し、次のように述べている。
「2010年になって、灰の入った瓶を持ち出してきて『これを使って何かしよう』と思い立った。水彩画用紙を何枚か取り出し、四角形の部分だけを水に溶いた灰で覆うことにした」
「数歩下がって絵を見ると、彼らが『語りかけて』きた。そして形が浮かんだ。20世紀で最も非情な戦争で痛めつけられ、拷問され、殺されていった人々の精気や記憶や『魂』が、まるで灰に込められているかのように…」
画廊ウェブサイトには、この作品を見るためには事前に予約が必要だと記されている。(c)AFP
芸術家のカール・マイケル・フォン・ハウスヴォルフ(Carl Michael von Hausswolff)氏は、現ポーランド・ルブリン(Lublin)郊外にあるナチス・ドイツのマイダネク(Majdanek)強制収容所跡の遺体焼却炉から1989年に入手した灰を水に溶き、「Memory Works(記憶の作品)」と題する絵画を描いたと主張している。犠牲者の苦しみを表現する長方形の上に垂直に筆を走らせたモノクロの作品は現在、スウェーデン南部ルンド(Lund)にある画廊マルティン・ブライデル・ギャラリー(Martin Bryder Gallery)に展示されている。
捜査官がAFPに語ったところによると、この作品を「遺体に対する冒とく」だと考えた1人の市民が今月5日、「遺体の一部を蹂躙している」として警察にハウスヴォルフ氏を告発した。
この捜査官はハウスヴォルフ氏が灰を入手したのがスウェーデンではなくポーランドであることに言及し、今回の告発について「非常にまれ」だと述べた。死体を焼却した灰を使用することがスウェーデンで犯罪にあたるかどうかは不明。警察によると検察当局が捜査の上、起訴するかどうかを決めるという。
画廊オーナーのマルティン・ブライデル(Martin Bryder)氏はAFPの取材を拒否し、またハウスヴォルフとも連絡が取れないと答えた。
同画廊ウェブサイトに掲載されたハウスヴォルフ氏の説明によると、同氏は1989年にある展覧会のためにポーランドを訪れた際、マイダネク強制収容所跡に立ち寄った。「遺体焼却炉の1つから灰を少し集めたが、その時の展覧会には使わなかった。あの場所で起きた残虐行為を思うと、あまりに感情が込み上げる素材だったからだ」と同氏は記し、次のように述べている。
「2010年になって、灰の入った瓶を持ち出してきて『これを使って何かしよう』と思い立った。水彩画用紙を何枚か取り出し、四角形の部分だけを水に溶いた灰で覆うことにした」
「数歩下がって絵を見ると、彼らが『語りかけて』きた。そして形が浮かんだ。20世紀で最も非情な戦争で痛めつけられ、拷問され、殺されていった人々の精気や記憶や『魂』が、まるで灰に込められているかのように…」
画廊ウェブサイトには、この作品を見るためには事前に予約が必要だと記されている。(c)AFP