殺人事件に関連して米マカフィー創業者を手配、米誌インタビューに「命をねらわれている」
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【11月14日 AFP】中米ベリーズの警察当局は12日、米インターネット・セキュリティー大手マカフィー(McAfee)の創業者ジョン・マカフィー(John McAfee)氏(67)を、米国人男性殺害事件の重要参考人として指名手配したと発表した。
ベリーズ警察組織犯罪対策部のマルコ・ビダル(Marco Vidal)部長によると、警察は11日夜、ベリーズ北東部沖のカリブ海に浮かぶ島アンバーグリス・キー(Ambergris Caye)にあるマカフィー氏の邸宅を家宅捜索。米フロリダ(Frolida)州出身のグレゴリー・フォール(Gregory Faull)さん(52)殺害に関して事情聴取を試みたが、マカフィー氏の姿は見当たらず、殺人の重要参考人として指名手配したという。
フォールさんは11日朝、自宅で首を撃たれて死亡しているのを家事手伝いの女性に発見された。ベリーズ公共安全省のラファエル・マルティネス(Rafael Martinez)報道官によると、現場には9ミリ拳銃弾の薬きょう1個が落ちており、フォールさんの首の傷と一致したという。警察発表によればフォールさん宅に何者かが押し入った形跡はなく、また現場からはノートパソコンと携帯電話が持ち去られていたという。
■2人の間にいさかい?
アンバーグリス・キーはスキューバダイビングや釣りで有名なリゾート地で、米国人居住者のコミュニティーがあることでも知られている島。地元住民はITブログサイト「ギズモード(Gizmodo)」に対し、最近フォールさんとマカフィー氏の間でいさかいがあったと語った。
匿名でギズモードの取材に応じた住民の1人は、マカフィー氏が次第に常軌を逸した行動を取るようになり、米国人コミュニティーとは疎遠になっていたと述べた。同サイトは、マカフィー氏が向精神薬を試していたとも伝えている。
■「警察に命をねらわれている」と主張
一方、マカフィー氏は米ハイテク情報誌「ワイアード(Wired)」の取材に、11日の捜索当時は自宅敷地内で砂の中に体を埋め、息をするため頭だけ出して段ボールをかぶって隠れていたと説明。「とんでもなく苦しかったが、見つかったら殺されるからだ」と述べた。
隣人が射殺された事件について問われるとマカフィー氏は、フォール氏が撃たれたということ以外「何も知らない」と答え、フォール氏殺害犯は実は自分を探していたのではないかと心配しているとコメント。その上で次のように主張した。
「どんな状況であろうと、この国の警察にはこちらから相談しようとは思わない。被害妄想だと言われるかもしれないが、でも彼らは私を殺そうとしているんだ。間違いない。彼らはずっと、私を何か月も拘束しようとしている。私を黙らせたいんだ。首相にも好かれていない。誰にとっても私はしゃくに触る存在なんだ」
マカフィー氏は創業したアンチウイルス・ソフトウエアの会社を1990年代前半に売却し、大富豪となった。最近4年間は旧英植民地のベリーズに在住している。
ベリーズ警察は数か月前にも武器とドラッグ所持に関連してマカフィー氏の家宅捜索を行い、同氏を数時間拘束した。マカフィー氏はこの件について、地元政治家への献金を拒んだために逮捕されたと主張している。(c)AFP