【11月13日 AFP】英王室の戴冠用宝玉が保管されているロンドン塔(Tower of London)の鍵が敷地内から盗み出されていたことが12日、当局の発表により明らかになった。

 塔を管理運営する慈善団体ヒストリック・ロイヤル・パレス(Historic Royal Palaces)の発表によると今月6日未明、正面の門を越えて敷地内に侵入した男が発見され、敷地外へと戻された。だがその後、跳ね橋や会議室、レストランに通じる入り口の鍵2セットがなくなっていることが分かったという。

 同団体の広報担当によればこの男は塔の内部には侵入しておらず、エリザベス女王(Queen Elizabeth II)が各種式典で使った王冠や笏(しゃく)を含む戴冠用宝玉コレクションに被害はなかった。

 同団体は声明で「これらの鍵を持っていても塔の内部に侵入することは不可能だったはず。鍵が盗まれた錠は直ちに全て交換した」と発表。「内部調査の結果、われわれの警備システム及び手順は万全だったとの結論に達している」としつつ、「しかしこの一件では、手順が期待される水準で実行されなかった。現在、職員の懲戒手順を踏んでいる」と述べている。
  
 ロンドン警視庁(Scotland Yard)は窃盗事件として捜査を開始している。(c)AFP