【10月24日 AFP】ブラジルで、しめやかに営まれていた通夜の席が突然、パニックに陥った。参列者たちは悲鳴を上げ逃げ出し、失神する女性も出る始末。それも無理はない。死んだはずの当人が通夜に現れたのだ。

 ブラジルのニュースウェブサイトG1が伝えた経緯によると、バイア(Bahia)州アラゴイニャス(Alagoinhas)で洗車の仕事をしているギルベルト・アラウージョ(Gilberto Araujo)さん(41)は、路上でたまたま出会った友人から死んでいなかったのかと驚かれた。聞けば、アラウージョさんの家族は今、埋葬の準備に追われているという。

 「葬儀場のひつぎの中には確かに俺がいたというんだ。だから言ってやったんだ。俺はちゃんと生きてるよ!つねってみろよ!とね」(アラウージョさん)

 真相を確かめようと自身の通夜に直行したアラウージョさん。一方、葬儀場では死んだはずのアラウージョさんが現れたために、通夜の参列者たちはパニック状態になったというわけだ。

 アラウージョさんの家族が葬ろうとしていた遺体は、アラウージョさんにうり二つの他人のものだったのだ。

 その場に居合わせた女性は、「あまりに嬉しくてわれを忘れてしまった。息子は死んだと言われながら、その息子が生きているのを目にして狂喜乱舞しない母親なんていないでしょう?」とG1ニュースに語った。

 一方、アラウージョさんと間違われた遺体の男性の身元は分かっていない。(c)AFP