【10月10日 AFP】米ロサンゼルス国際空港(Los Angeles International Airport)で5日、関西国際空港を出発し米ボストン(Boston)へ向かっていた米国籍の男が、防弾チョッキや耐炎ズボンを身に付け、複数の武器を機内に持ち込んだとして、危険物輸送容疑で逮捕された。米移民税関捜査局(Immigration and Customs EnforcementICE)が9日発表した。

 逮捕されたのはボストンに定住所を持つ中国系米国人、ヨンダ・フアン・ハリス(Yongda Huang Harris)容疑者(28)。最近は日本に住み、日本国内で働いていた。

 ICEによると、ロサンゼルス国際空港に到着した容疑者は、トレンチコートの下に防弾チョッキと難燃性のズボンを身に着けているのが見つかって身柄を拘束された。空港当局が受託手荷物を調べたところ、手おの1丁、複数のナイフ、ガスマスク1個、防護服、複数の死体運搬用の袋に加え、「発火性の発煙弾」が見つかったという。

 AFPが入手したICE国土安全保障調査部(Homeland Security InvestigationsHSI)職員らによる宣誓供述書によると、荷物からはさらに皮製の警棒3本、伸縮式警棒1本、フルフェース型のレスピレーター(呼吸マスク)、足かせ、犬を追い払うための装置も発見された。

 供述書には、ハリス容疑者が「関西空港発、韓国・仁川(Inchon)経由のロサンゼルス行き飛行機の受託手荷物に発煙弾を入れ、意図的かつ無謀にも輸送した」と書かれている。同容疑者が輸送したとされる発煙弾は、十分な空間で使用すれば民間航空機のキャビンを煙で充満させることができ、狭い空間で使った場合には火災を引き起こす恐れもあるという。

 米捜査当局は現在、日本側と協力して捜査を進めている。ハリス容疑者は有罪になれば最大5年の禁錮刑が科せられる可能性がある。(c)AFP