【10月9日 AFP】メキシコ海軍は8日、米国との国境沿いで発生した銃撃戦で、度重なる虐殺行為で知られる麻薬密売組織セタス(Zetas)の最高幹部を殺害した可能性があると発表した。

 同軍の声明によると現在、最終的な検視結果を待っている状態だが、遺体はエル・ラスカ(El Lazca)の異名で知られるエリベルト・ラスカノ(Heriberto Lazcano)容疑者のものとみられるという。

 銃撃戦があったのは「麻薬戦争」の中心地であるコアウイラ(Coahuila)州。国境沿いの小さな町プログレソ(Progreso)で7日、「警ら中の海軍要員を小型爆弾と銃器で襲撃した容疑者2人が、銃撃戦中に死亡した」と発表された。銃撃戦後、軍部隊は、ロケット弾や小型爆弾12個の発射に用いられた発射筒を押収したという。

 ラスカノ容疑者は、分裂したセタスの最高幹部2人のうちの1人。メキシコの最重要指名手配被疑者で、逮捕につながる情報には260万ドル(約2億円)の懸賞金が懸けられていた。また米国も500万ドル(約3億9000万円)の懸賞金を懸けていた。

 メキシコでは2006年に軍による取り締まりが開始して以降、麻薬戦争で6万人が死亡したとされている。(c)AFP