【10月9日 AFP】中国・重慶(Chongqing)市党書記を解任された薄熙来(Bo Xilai)氏は失脚の数か月前、最初の妻との間にできた息子が、2人目の妻である谷開来(Gu Kailai)受刑者の毒殺を企てているのではないかと疑っていた――米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は7日、薄氏の前妻・李丹宇(Li Danyu)氏の談話を報じた。

 李氏によると薄氏は、米コロンビア大学(Columbia University)を卒業し北京(Beijing)の金融界で働いている息子の李望知(Li Wangzhi)氏が谷受刑者の殺害を首謀していると主張し、計画を裏付ける法医学的証拠もあると述べて、李氏の兄弟に詰め寄った。だが、この義理の兄弟に、そのような疑いは突飛(とっぴ)だと指摘され、安堵(あんど)した様子を見せたという。

 李丹宇氏はNYタイムズ紙に、疑惑の出所は谷受刑者に違いないと述べ「彼女はこの手の被害妄想にとりつかれることがある」と語ったという。

 谷受刑者は、英国人実業家ニール・ヘイウッド(Neil Heywood)氏を毒殺した罪で8月に有罪判決を受けた。この裁判の中で息子の薄瓜瓜(Bo Guagua)氏にとってヘイウッド氏が脅威になっていると信じていたと述べた。

 薄熙来氏と最初の妻、李丹宇氏は文化大革命(Cultural Revolution)末期の1975年に出会い、77年には李望知氏が生まれたが、84年に離婚した。

 NYタイムズ紙はまた谷受刑者の弁護士の話として、谷受刑者が数年前に重金属系の毒物を盛られたことがあると、薄氏一家が信じていたとも伝えている。AFPはこの弁護士に取材を試みたが、回答は得られていない。(c)AFP