米FOXニュース、容疑者自殺の瞬間を生放送 カーチェイス中継中
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【9月30日 AFP】米国で28日、ニュース専門放送局FOXニュース(Fox News)がアリゾナ(Arizona)州で発生したカーチェイスを生中継中に、容疑者が銃で自殺する瞬間が放送されるというアクシデントが起きた。
FOXニュースによれば、警察は高速道路を時速175キロもの猛スピードで逃走する自動車強奪事件の容疑者を1時間以上にわたり追跡していた。
容疑者が運転していたSUV車は高速道路を下りると、フェニックス(Phoenix)西方の町サロメ(Salome)付近の田舎道を逃走し始めた。その後、車を乗り捨て自らの足で走り始めた容疑者を、FOXニュースは空撮による中継で追い続けた。
すると茂みに逃げ込んだ容疑者は拳銃を取り出し、右のこめかみに当てると次の瞬間、地面に倒れ込んだ。
FOXニュースのキャスター、シェパード・スミス(Shepard Smith)氏はスタジオのスタッフに向かって「消せ! 消すんだ!」と叫び、中継停止を必死に促した。
スミス氏が視聴者に対するお詫びの言葉を繰り返す中、マイクロブログのツイッター(Twitter)はこの放送事故についての投稿であふれた。
また動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)では放送後、数時間にわたり録画映像が投稿され続け、ユーチューブ側はこれら動画を「サービス規約違反」との理由で投稿とほぼ同時に削除する作業に追われた。
カーチェイスの生中継は米国のニュース番組では定番で、中でもアメリカンフットボールの元スター選手で俳優のO・J・シンプソン(O.J. Simpson)氏が1994年にロサンゼルス(Los Angeles)で起こした逃走劇は語り継がれている。
だがFOXニュースが起こした今回の放送事故により、カーチェイスのテレビ中継は「センセーショナリズムに過ぎない」などとする批判の声が高まっている。
キャスターのスミス氏は、番組スタッフは生中継時に設けられている5秒の時間差を利用してこの放送事故を防ぐべきだったと述べた。(c)AFP/Robert MacPherson