【9月12日 AFP】2001年に起きた米同時多発テロから11年目を迎えた11日、米ニューヨーク(New York)の世界貿易センタービル跡地など米国各地で追悼式典が行われた。

 ハイジャックされた4機のうち1機が突入したワシントンD.C.(Washington D.C.)郊外の米国防総省で行われた式典では、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が「9.11によって真に遺されるのは恐怖や憎悪や分断ではない。より安全な世界、より強い国、それまで以上に団結した人々であるはずだ」と演説し、事件後の米国の結束をたたえた。 

 この日ニューヨークには11年前と同じ雲一つない青空が広がり、貿易センタービルのシンボルだったツインタワーに2機のハイジャック機が次々と激突した当時の光景を痛烈に思い出させた。崩壊したツインタワーの跡地「グラウンド・ゼロ(Ground Zero)」では例年通り厳かに式典が行われた。

 しかし米国を「テロとの戦い」に向かわせた事件から10年以上が経ち、1つの時代に区切りがついたという認識とともに情緒的な反応は静まりつつある。グラウンド・ゼロの式典に今年は政治家の姿はなく、ニューヨークの警備はオバマ大統領を始め多くの要人が参加した前年の厳戒態勢とは対照的だった。

 米同時多発テロは2001年9月11日、米国で発生した大規模なテロ事件。国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーによって旅客機4機が次々とハイジャックされ、うち2機がニューヨークの世界貿易センタービル、1機がワシントンD.C.郊外の米国防総省に突入し、残る1機がペンシルベニア(Pennsylvania)州で墜落。約3000人が死亡した。(c)AFP/Mariano Andrade