【9月6日 AFP】リビアの旧カダフィ政権で情報機関のトップだったアブドラ・サヌーシ(Abdullah al-Senussi)容疑者が5日、身柄を拘束されていたモーリタニアからリビアに送還された。モーリタニア国営テレビが同日報じた。

 リビアの元最高指導者、故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の側近だったサヌーシ容疑者は、人道に対する罪で国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)から国際指名手配されている。同容疑者は今年3月、モーリタニアの隣国マリの偽造旅券を使ってモロッコから空路モーリタニアに入国しようとした際に身柄を拘束されていた。

 ICCは、2011年のカダフィ政権崩壊につながった民衆蜂起に対する弾圧でサヌーシ容疑者は重要な役割を果たしたとしており、同年6月に出した逮捕状で同容疑者をリビア東部ベンガジ(Benghazi)における「人道に対する罪、政治的動機に基づく殺人および虐待の間接正犯」としている。

 ICCは5日、AFPの取材に対し、サヌーシ容疑者の身柄がリビアに送還されたという正式な情報を受けていないと述べた。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、サヌーシ容疑者に対して公正な裁判が行われるよう、リビア政府は同容疑者の身柄を直ちにICCに引き渡すべきだと主張している。(c)AFP/Imed Lamloum