【9月4日 AFP】交流サイト「フェイスブック(Facebook)」に友人の悪口を書き込んだとされる少女が今年1月に刺殺された事件の裁判でオランダの裁判所は3日、被告の少年(15)に少女の殺害とその父親の殺人未遂の罪で禁錮1年の実刑判決を言い渡した。

 少年にはこのほか、最低2年の精神科施設への入所も命じられた。判決は、同国の未成年に対する最高刑に当たる。

 オンラインで公表された判決文には、被告が被害者のジョイス・アウ(Joyce Hau)さんを「故意に殺害」し、またジョイスさんの父親も殺害しようとしたと書かれている。

 事件は今年1月14日、同国東部アーネム(Arnhem)で発生した。検察側の説明によれば、アウさんは友人の少女(16)とフェイスブック上で口論になり、その後、この少女の交際相手だった別の少年(17)がフェイスブックを通じて被告の少年と連絡を取り、アウさんとその家族全員の殺害を計画した。アウさんの家を訪れた被告の少年は、「渡したいものがある」と言ってアウさんを玄関まで呼び出すと、持っていたナイフで首や顔を繰り返し刺した後、アウさんの父親にも襲い掛かったと検察側は主張した。アウさんは5日後に病院で亡くなり、父親が顔に負った傷のあとは一生残るとされている。

 判決文によると、被告とアウさんは顔見知りではなかったが、「単独または複数の他者からの要請あるいは指示を受けて犯行に及んだ」という。

 裁判中、被告は殺害の報酬として150ユーロ(約1万5000円)、または「何杯かの飲み物」を受け取る約束がなされていたと複数の証人が証言した。

 判決文では、被告の少年には「精神障害の特徴を伴う重い行動障害」が見られるとの記述もあった。起訴状によると、被告の少年は、金と引き換えに一緒に遊んでくれるよう他の子供たちに頼んだことがあると、母親が話していたという。

 裁判所関係者がAFPに語ったところによると、フェイスブック上でどのようなやり取りがあったのかは公表できず、事件に関与したとされる2人の少年少女の裁判の日程は未定だという。(c)AFP