【8月31日 AFP】南アフリカ北西部ルステンブルク(Rustenburg)郊外のプラチナ鉱山、マリカナ(Marikana)鉱山で16日に労働者らと警官隊が衝突した事件で、同国の検察当局は30日、鉱山労働者34人を殺害した罪で同じ鉱山の労働者270人を起訴した。

 34人は警察が「自衛のためだった」としている警官隊の発砲によって死亡したが、検察側は「共同目的法」を適用して発砲した警官らではなく死亡した労働者の同僚らを起訴した。検察側の報道官は詳しくは来週行われる公判の中で明らかにすると述べた。

 与党アフリカ民族会議(ANC)の青年同盟の議長だったジュリアス・マレマ(Julius Malema)氏は、「労働者を殺害した警官たちは身柄の拘束さえされていないのに、労働者の方を起訴するとは狂っている」と起訴を強く批判した。法律の専門家からも共同目的法の適用を疑問視する声が上がっている。

 労働者側は3週間前の10日、月給を4000ランド(約3万7000円)から1万2500ランド(約11万6000円)に上げることを求めてストライキを始めたが、強い影響力を持つ2つの労働組合の対立が絡んで暴力沙汰に発展し、15日までに警官2人を含む10人が死亡していた。今回起訴された270人は警官隊の発砲後に身柄を拘束されていた。

 政府は労使交渉を仲介し、鉱山を所有する英資源大手ロンミン(Lonmin)と労働組合は30日、前日に続いて2日目の交渉を行った。関係者は、事態打開は近いという見通しを示している。(c)AFP