【8月25日 AFP】米ニューヨーク(New York)中心部のエンパイアステートビル(Empire State Building)前で24日朝、発砲事件が発生し、容疑者の男を含む2人が死亡、9人が負傷した。容疑者は解雇された婦人アクセサリー・デザイナーで、元同僚を射殺した後、駆け付けた警察との間で短い銃撃戦になり射殺された。

 米連邦捜査局(FBI)は即座に、テロの可能性を否定した。

 負傷者はいずれも軽症だが、人気の観光名所でラッシュ時に起きた事件だけにもっと死者が出てもおかしくない危険な状況だったと、記者会見したニューヨーク市警のレイモンド・ケリー(Ray Kelly)本部長は述べている。

 ケリー本部長によると、男は婦人服ブランド「ヘイザン・インポート(Hazan Import)」の元従業員、ジェフリー・ジョンソン(Jeffrey Johnson)容疑者(58)。婦人用アクセサリーのデザイナーとして6年勤務していたが1年前に人員整理で解雇され、そのことを恨んでいたという。

 ジョンソン容疑者は朝9時(日本時間同日午後10時)ごろ、ちょうどエンパイアステートビル周辺の路上が通勤客や観光客で混雑していた際、元同僚の男性に近付き口論となった。やがてジョンソン容疑者が45口径の拳銃を取り出し、至近から元同僚の頭を3発撃ったという。米メディアによると、相手はヘイザン・インポートの販売担当の副社長(41)だという。

 マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)ニューヨーク市長は会見で、ジョンソン容疑者は拳銃をしまって逃走しようとしたが通報を受けた警官2人に制止され、銃を向けたため警官が応戦したと説明した。このとき容疑者が発砲したかどうかは不明で、負傷した通行人のうち幾人かは警官の撃った流れ弾に当たった可能性があるという。

 エンパイアステートビルは、自由の女神(Statue of Liberty)像やブルックリン橋(Brooklyn Bridge)と並ぶニューヨークの主要観光スポット。米国では7月、コロラド(Colorado)州の映画館で男が銃を乱射。8月にはウィスコンシン(Wisconsin)州のシーク教寺院でも乱射事件があり、いずれも死傷者を出している。(c)AFP