【8月21日 AFP】米当局は20日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ(Hezbollah)のマネーロンダリング(資金洗浄)に関連するとみられる1億5000万ドル(約120億円)を、米銀口座から押収したと発表した。

 プリート・バララ(Preet Bharara)連邦検事と米麻薬取締局(Drug Enforcement AdministrationDEA)のミシェル・レオンハート(Michele Leonhart)局長によると、問題の口座はレバノンの首都ベイルート(Beirut)に拠点を置くレバニーズ・カナディアン銀行(Lebanese Canadian BankLCB)が米ドル取引に使っていたもの。

 米当局は2011年12月、ヒズボラと関係があるとされるLCBなどレバノンの金融機関3行について、資金の差し押さえなどを求めてニューヨーク(New York)の連邦裁判所に提訴していた。当時の米検察当局の発表によると、LCBなど3行がレバノンから米国に送った資金が中古車購入に使われていた。中古車は西アフリカで売却され、その売却益は麻薬取引の収益と合わせてヒズボラの資金洗浄ルートを通じてレバノンに還流されていたという。

 レオンハートDEA局長は20日の声明で、LCBはヒズボラ傘下の組織が行っている世界的規模の資金洗浄において中心的な役割を果たしていると指摘した。

 米政府はヒズボラをテロ組織とみなしており、ヒズボラに武器を提供しているとしてシリアとイランを非難している。米政府は今月、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の体制を支援しているとしてヒズボラに制裁を科していた。(c)AFP