【8月16日 AFP】イタリアの首都ローマ(Rome)の地下に伸びる独裁政権時代のトンネルが、マリフアナ(大麻)農園と化していた。イタリア財務警察は15日、ハロゲンランプやかんがい設備まで整ったこの農園から340キログラムのマリフアナを押収し、57歳の男を逮捕したと発表した。農園で栽培されていたマリフアナは約300万ユーロ(約2億9000万円)相当という。

 警察発表によると11日、ローマ・カシリーナ(Rome-Casilina)駅近くでパトロール中の財務警察部隊が、トンネルの通気孔から強いマリフアナ臭が流れ出ているのに気付いたことがきっかけで摘発に至った。臭いは警察官がマスクを着用しなければいけないほど強烈だったという。

 トンネル内部で警察が最初に発見したのはキノコ農園とみられる設備だったが、れんが壁が動かせるようになっており、その裏側にマリフアナ栽培施設が隠されていた。4000平方メートルの空間にマリフアナの栽培と製造を行う温室が設置されていたという。貯蔵エリアからは収穫直後や加工済みのマリフアナに加え、乾燥処理に使われる機械や化学薬品なども見つかった。

 このトンネルは、イタリアの独裁政治家ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)が1930年代に立ち上げた地下鉄建設計画によって作られたものの一部。計画は後に放棄され、トンネルだけが残されていた。(c)AFP