【7月5日 AFP】ドイツ南西部カールスルーエ(Karlsruhe)のアパートで4日、立ち退きを迫られた男が武装して人質4人をとって立てこもり、全員を殺害した後に自殺するという事件があった。

 警察によると、男は犯罪歴のない53歳の失業者で、拳銃2丁、その他の銃2丁、弾薬、手投げ弾などで武装し、人質をとって立てこもった。人質となったのは、この男の恋人(55)、訪れていた管財人、錠前師、家の新しい所有者の4人で、年齢は33歳から55歳まで。

 男の恋人だった女性は、このアパートの所有者だったが、修繕費用を滞納したため、アパートは競売に出され、新しい所有者は男と女性に立ち退くよう求めた。

 事件当日は、社会福祉指導員と錠前師がアパートを訪れ、男と女性、管財人らで退去に関する話し合いがもたれることになっていた。

 だが、アパートの室内に入ると男は武器を取り出し、錠前師に残りの人々を縛るよう命じた。錠前師が武器を奪おうとしたため、男は錠前師を数回、銃撃したうえ、管財人も足を撃たれた。ただ1人解放された社会福祉指導員が、警察に通報。警察は男と電話での接触を試みたが失敗に終わり、事件発生からおよそ4時間後、特殊部隊員40人を含む警察官200人が現場アパートに突入したが、男と人質ら計5人は遺体で発見された。

 男が武器を入手した経緯は不明。検察当局は、男が当初から人質の殺害も辞さない決意で立てこもりを計画していたとみている。(c)AFP/Juergen Oeder