【7月3日 AFP】リビア当局は2日、同国の最高指導者だった故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の次男、セイフイスラム(Seif al-Islam Kadhafi)氏との面会後に拘束していた国際刑事裁判所(International Criminal CourtICC)の職員4人を釈放した。

 セイフイスラム氏を拘束している旅団の司令官は、リビア北西部ジンタン(Zintan)で記者団に対し、「(ICCの)4人は解放された」と述べた。

 拘束されていたのはオーストラリア人のメリンダ・テイラー(Melinda Taylor)弁護士と同僚2人、レバノン国籍の通訳者の4人。セイフイスラム氏の弁護の準備を進めるためジンタン入りしたが、6月7日から拘束されていた。テイラー氏はセイフイスラム氏との面会時にペン型の小型カメラを携帯し、セイフイスラム氏の元右腕で、リビア政府が指名手配しているムハンマド・イスマイル(Mohammed Ismail)氏からの暗号化された手紙をセイフイスラム氏に渡そうとしたとされている。

 リビアのムハンマド・アブドルアジズ(Mohammed Abdel Aziz)副外相は記者会見で、ICCとの合意の一部に基づき、代表団は2日中にリビアを離れると述べた。同席したICCの宋相現(ソン・サンヒョン、Song Sang-Hyun)所長は、仲介役を務めたリビア政府に感謝の意を示した上で、「今回の出来事で生じた困難についてお詫びを申し上げたい。ICCのメンバーが(国際刑事裁判所の所在地)オランダ・ハーグ(Hague)に戻り次第、調査を行う。不正行為を行った者には適切な措置を取る」と述べた。

 4人の試練は続きそうだ。アブドルアジズ副外相によると、司法手続きを完了させるため4人には7月23日にリビアの裁判所への出廷が命じられている。4人がリビアに戻る必要があるのか、不在のまま裁判にかけられるのかは明らかになっていない。(c)AFP/Imed Lamloum