【6月27日 AFP】中国で「一人っ子政策」に違反して2人目を妊娠したが、罰金4万元(約50万円)を払えなかったため、今月2日に妊娠7か月で中絶させられたという女性の夫が失踪した。親族が26日、明らかにした。

 失踪したのは、陝西(Shaanxi)省鎮坪(Zhenping)県の馮建梅(Feng Jianmei)さんの夫。中国では、強制堕胎された直後とみられる馮さんが血まみれの胎児の遺体と一緒に病院のベッドに横たわる画像がインターネット上に出回り、大きな衝撃が広がっていた。

 匿名で取材に応じた親族によると、馮さんの夫は24日から失踪し、携帯電話にも出ない状態。馮さんの家族は警察や鎮坪県当局、安康(Ankang)市上層部などに連絡したが、どこも応じないという。夫は失踪直前、当局幹部が話をしたいと言ってきたと述べていたという。

 馮さん一家は夫が失踪した24日に病院から帰宅したが、以来家の周りには多数の見知らぬ人が集まり、一家を非難する横断幕を橋から垂らしたり、「裏切り者」と叫ぶといった嫌がらせを受けているという。馮さんの家族が外国メディアの取材に応じたため、それに対する抗議ではないかと親族は推測している。抗議をしている人物たちの身元は不明だが、当局に雇われた者たちではないかとインターネット上では報じている。(c)AFP